2日、東京・後楽園ホールのセミファイナルで行われたスーパーフェザー級8回戦は、元日本フェザー級王者(現・日本スーパーフェザー級8位)の源大輝(みなもと・たいき、30歳=ワタナベ)が草野慎悟(32歳=三迫)に77対74、77対74、75対76の2-1判定勝利を収めた。
写真_馬場高志
7回、源が狙い続けた右スイングがヒットすると、草野はキャンバスに尻もちをついた。だが、これまでの試合では一気に弱気の姿勢になる草野だったが、必死にダメージ回復に努めて落ち着きを取り戻すと、初回から遂行してきた右ジャブからのボックスで挽回。最終8回は、ダメ押しともいえる猛攻を見せた、ように見えた。が、下されたジャッジは意外なものとなった。
リズミカルな右ジャブと、抜群の距離キープで草野のペースメイクが目立った 立ち上がりからサウスポーの草野が、小刻みなジャブを駆使して右回りを展開。源を呼び込んではいなしてポイントを積み重ねたかに思えた。中盤から右強打で迫る源にロープを背負わされる場面があったものの、右でボクシングを作り、左連打の狙い打ちなど、試合全般を草野が支配していたように受け取った。だが、全ラウンド終了で読み上げられた採点は、源のビッグパンチを評価したもの。ダウンを喫したとはいえ、立ち上がりから戦いを支配、コントロールしていた草野は評価されていないものとなった。
上半身の力みが目立ち、下半身の不安定さが目立った源の戦績は25戦17勝(13KO)7敗1分。落ち着いたボクシングが目を惹いた草野の戦績は24戦13勝(5KO)10敗1分。
パワフルな池本を豪快に沈めた箕輪 OPBF東洋太平洋女子フライ級王座決定戦8回戦は、前王者チャオズ箕輪(34歳=ワタナベ)が、同級1位でIBF11位、WBA12位の池本夢実(25歳=琉球)を2回1分16秒TKOに下し、自身が保持していた王座を取り戻し、世界ランク入りを確実なものとした。
初回、インサイドからコンパクトに合わせた左フックで池本がダウン。これはノックダウンとはみなされなかったものの、箕輪のレベルが一段抜けているのは明らかだった。
刻みの速いテンポから、左右のショートストレートを上下に連発。左右フックを豪快に振る池本の“中”を完全に掌握した。
2回、左ショートフックのカウンターを今度はバッチリと決めて倒すと、立ち上がった池本に左フックを意識させておいて、右のオーバーハンド一閃。弾けるようにして沈んだ池本に、レフェリーが続行を許さなかった。
箕輪の戦績は10戦7勝(6KO)3敗。過去の3敗はすべて世界タイトルマッチ(暫定含む)の箕輪は、4度目の挑戦を目指す。元日本王者・池本の戦績は9戦7勝2敗。
文_本間 暁