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2024-04-24

謎多きマスクマン、リル・クラーケンがBASARA4・30新木場で団体の至宝に挑む。「全てをひっくり返す絶好のチャンス」

3・19新木場で挑戦表明をしたクラーケン

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リル・クラーケンがBASARA4月30日の新木場大会で藤田ミノルの持つユニオンMAX王座に初挑戦する。突じょ'21年10月19日に登場したクラーケン。当初、プロフィルは謎に包まれていたが、徐々に詳細が明らかになり、現在27歳であることが判明。イカのマスクマンでありながら「海なし県」の栃木県でおばあちゃんと2人で暮らす謎多き挑戦者に、タイトルマッチへの意気込みを聞いた。

――3月19日の新木場大会で神野聖人選手を相手にユニオンMAX王座2度目の防衛に成功した藤田選手に、クラーケン選手が挑戦表明をおこないました。あらためて王者・藤田選手の印象を伺えますか?

クラーケン 会うとつかみどころのない話をされて、けっこうこっちを困らせてくる人ではあるんですけど、基礎の部分には優しさがあるなと思ってて。

――挑戦表明時の場内の反応は驚きが多かったようにも見えましたが、ご自身ではどのように感じてらっしゃいましたか?

クラーケン 藤田さんはけっこうひょうきんな人だなって思ってたんですけど、ああいう形で挑戦表明をして、なんとなく藤田さんを初めて困らせることができたなって。あれに関しては満足してるんですけど。あそこから試合は始まってると思ってるんで。ぬるい、ゆるい空気で挑戦表明して、甘くないぞみたいに言ってた人もゼロではなかったので。あれを面白いと思ってくれる人もいれば、あれをゆるいよね、ぬるいよねって言う人がいるのももっともだと思うし。でもそういう人間もひっくるめて当日、タイトルマッチで見せてやるぞ、かましてやるぞっていう風には思ってます。

――ファンの見る目も変えていくと。

クラーケン それをやる絶好のチャンスだと思いますね。過去に(ザ・グレート・)サスケさんとのシングルとかチャンスはありましたけど、正直なかなかBASARAでそういうチャンス巡ってくることがなかったと思うんで。今回そのチャンスをつかむことができたかなと思ってます。

――クラーケン選手は昨年の12月3日の後楽園大会で、かつてのあこがれだった“東北の英雄”サスケ選手にシングルで勝利しています。

クラーケン いまだにあの勝ちは現実だったのか、夢だったのかなってフワフワしてる部分ではあるんですけど。浮かれて、すぐ宇都宮帰って友達とかに自慢して回りたいなって、そっちになっちゃったんで。あの1日はそれでおしまいで、次って言うのは正直考えてなかったです。

――すでに王座戦が決定している状況で、4・20横浜大会でヤス・ウラノ選手との一騎打ちが組まれました。ウラノ選手はSNSで、クラーケン選手に勝利した上で、王座の挑戦権利を奪うと主張していました。

クラーケン ボクはそんなの認めたつもりはないんですけど、一方的に言われてしまって。ウラノさんって声が大きいじゃないですか。じっさいにも声も大きいし、影響力もボクなんかより大きい選手なんで。ああやって言われちゃったら、みんなお客さんとかもじゃあ本当にウラノさんが勝ったら挑戦権移るよねみたいに見てたと思うんですよ。そこで負けるわけにはいかないなって思ってました。

――試合前にマスクを奪われて一度3カウントを取られるも、再試合を要求し、試合巧者であるウラノさんを下しました。

クラーケン ウラノさんからの勝利は初めてです。ぶっちゃけ、ボクは戦績がいいプロレスラーではないので。マスクを剥がされたのは屈辱以外なにものでもなかったですね。

――ウラノ選手に勝利し、王座戦に向け弾みがつきました。

クラーケン 正直、ウラノさんのことはプロレスラーとしても人間としても苦手なんですけど。Twitter(X)もミュートしてますし。

――そ、それは…。

クラーケン 本人にも伝えてるんで(笑)。ミュートしてますよって。その苦手を今回試合で勝ったっていうことで一つ克服できたんじゃないかなって思うんで。

――挑戦表明の動機は、神野選手が敗れ順番的にご自身の番だと思ったから、そして「一緒に暮らしてるおばあちゃんにベルトを見せたい」とおっしゃっていました。

クラーケン あの試合セコンド付いてたんですけど、神野さんがあそこで勝ってたらボク挑戦するつもりはなかったんですよ。ただそれこそ神野さんが負けてそのあと先輩たちの誰かが挑戦表明するってなっても、ここ数年のBASARAのタイトル戦線となんら変わりのない光景が続くんじゃないかなって。それは若い人間がいる団体で健全じゃないんじゃないかなって思って。そこは1つ団体に対する愛ですね。

――なるほど、愛ですか。

クラーケン はい。団体に対して愛してるよって感じで。要するにBASARAっていう団体が長く続けばいいな、もっと大きい団体になればいいな、お客さんがたくさん来てくれればいいな、いろんなところ回れればいいなっていうのは心から思ってるんで。そのためには見てるお客さんも同じ光景見たらつまんないじゃないですか。BASARAのお客さんみんな優しいから思ってもたぶん言わない人が多いんじゃないかなって思ってて。だから、実力不足の人間が挑戦表明したって思われてもしょうがないけど、それでも前に見た光景とは絶対違うわけですから。だからそこは団体に対する愛ですね。

――現在、プロレス界全体で世代交代の波がありますが、BASARAでは中野さんは「若い世代」、神野さんは「自分自身の時代」、クラーケンさんは「若い世代と言っても実年齢27歳だし…」とおっしゃっていました。

クラーケン そうなんですよ。27歳なんですよ、再来月には28歳になっちゃうんで。なので若いとは思ってないんです。20代って言うと若いってとらえる人もいるんですけど、まだ若いじゃんて言ってくれる人ももちろんいるけど、若いって言う言葉をそのままボクら当人が間に受けてたら、そこに甘えちゃって、まだいいじゃんって進歩しないと思うんですよね。だからボクは自分のことが若いとか、若くないとかそういう次元ではとらえたくないなって思ってる部分があります。

――フリーでレギュラー参戦を続けるBASARAの仲間である藤田さんに対し、団体内でもファンの方の間でも、王座流出という空気はあまりないです。

クラーケン 藤田さんのポジションってBASARAのお客さんからしたら、仙人みたいな、マスターですよね。だから誰も外敵とかとらえてなくて、安心して見てられる選手だと思うんですよ。試合の安定感とかもすごいし。だけどボクってめちゃくちゃ不安定なプロレスラーなんで。

――不安定ですか。

クラーケン さっきも言いましたけど、戦績も不安定だし、言っちゃうとなにするかわかんないって言われることが多いんですけど、自分でもなにするかわからないなって思ってる部分があって。じっさいのところプライベートでは自分のこと不安定とは思わないけど、リング上はかなり情緒不安定なプロレスラーだと思いますね。

――なるほど。

クラーケン プロレスラーって四角いリングの枠をしっかりとらえて試合してると思うんですけど、ボクは逆にそうは思ってなくて、鉄柱もあるしエプロンサイドもあるし、場外だってあるし、会場の外もありますよね。ボク、BASARAでは全然結果が残せてないかもしれないけど、ほかのいろんな団体、どインディーと言われるところだったりとか、マットプロレスだったりとか、ギャランティーはもらってますけどアマチュアプロレスに出てみたりとか、アスファルトの上でブレーンバスターの受け身を取ったりとか。ほかのBASARAの所属選手がやってないような経験をしてると思うので。なので、ほかのレスラーがやってない経験の集大成を藤田さんとのタイトルマッチでお見せできればいいかなと思ってます。言葉が正しいかわからないですけど、セオリー通りにやってプロレスって面白いのかな?って感じるときがあって。セオリーはぶっ壊せですね。

――ありがとうございます。では最後にファンの方に一言お願いします。

クラーケン ぜひBASARA4・30新木場にリル・クラーケンが勝つところを見に来てください!

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